2023.8.28~30 天狗ノコル~ジャンダルム~奥穂高岳 A

山行名  天狗ノコル~ジャンダルム~奥穂高岳 A

山行日  令和5年8月28日~30日(月~水)

リーダー 鈴木武夫

参加者  4名(男性3名 女性1名)

コース  1日目 上高地BT~岳沢小屋(泊) 
2日目 岳沢小屋~天狗のコル~ジャンダルム~ロバの耳~馬の背~穂高岳山荘(泊)
3日目 穂高岳山荘~横尾~上高地BT

歩行時間  1日目:3時間 2日目:7時間 3日目:8時間

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1日目  薄曇り、 河童橋の賑わいを離れてすぐに静かな梓川右岸の林道を進む。 岳沢登山口から登山道に入ると樹林帯が陽射しを遮ってくれるが、風がなくどっと汗が出る。 整備された登山道をゆるゆると登っていくと独標から天狗ノ頭までの稜線が視界に入る。 明日の天狗沢を見つめて「きつそう~」と一同。 午後は雨予報だったので立ち休憩を繰り返す程度で小屋へと急いだ。 午後2時過ぎに岳沢小屋に到着。 受付を済ませ部屋にあがってすぐに土砂降りの雨となった。 雨上りにテラスで上高地を見下ろしながら喉を潤し山談議。

2日目  ほぼ快晴、 夜明けを待っての5時、ヘルメットを装着し小屋の脇の登山口に入る。 天狗ノコルまでは標高差650mだ。 樹林帯から第一お花畑を抜けるまではYAMAPでも赤実線のまあまあ整備された登山道で歩き易い。 ただお花畑に入ると直射日光に晒され、とにかく暑い! 標高2500m辺りで天狗沢のガレ場を横切り第二お花畑に入る。 草付きの岩場を巻くように登ると再び天狗沢のガレ場に突入する。 ここから標高2850mに位置する天狗ノコルまでの標高差250mが崩れやすいガレとの戦いになる。 強い陽射しに閉口しながらもマークを頼りにルーファイし高度を上げていくとコル直下150mが難所だ。 ザックほどの大石でも動くガレ場、ガラガラと踏み留まることが難しいザレ場、苔の点在する逆層スラブが並行してコルへと続いている。 通過し易いルートを選択しながら登っていった。 高齢者登山隊はコルまで3時間強かかってしまった。
コルから岩稜帯が始まる。 マークはところどころつながらないので前後左右に少し動いて次のマークを捜しその先のルートを読み込みながら慎重に進まないと行き先に窮してしまう。 ジャンダルム手前まではホールドが充分にあるのでこのルート取りが肝になる。 ガスで視界が悪いと難易度が上るだろう。
ジャンダルムの基部からは巻き込んで登るので難なく頂きに立つことができた。
西穂~奥穂間の象徴的な頂きなので感慨もひとしお。 ヤッター感に浸る。 喜びも束の間、眼前の奥穂高へと続くロバの耳・馬の背に武者震い。 ロバの耳は下りがやっかい。 馬の背は飛騨側の斜度80度ほどのエッジを右・左と縫うように這い上がっていくが、ホールドが間々ぐらついているので安定を確認してから身体を任せないと危険だ。 馬の背を過ぎ、一般の岩稜を進み奥穂高山頂に立つことができた。 山頂で百名山98座目のお嬢さんをお祝いし記念写真を撮って穂高岳山荘へと下った。

3日目  出発時は朝陽を受けながらザイテングラードを降り、涸沢小屋で小休止をしてから行き交う人の多い登山道を横尾・上高地へと下山した。 幸い天気は曇りに変わり単調ながら気持ちの良い下山路となった。 沢渡駐車場脇の蕎麦屋でお風呂と食事をして帰路へ。  リーダー、サブのお二方に大変お世話になりました。 ありがとうございました。
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今回の岩稜ルートは岩が脆く鎖などがほとんどかけられていない。 落石に気を付けながら、常にホールドの安全を確認し、長い時間緊張を強いられるので、大キレットよりも難易度は高いと思った。しかし、八峰や不帰などで経験を積めば誰もが挑戦できるワクワク感満載の山旅が楽しめます。

投稿者 松浦 均

写真撮影者 松浦 均 浅岡恵美子 鈴木武夫

1.ヨシ、行クゾウ!
2.前穂方面登山口

 

3.岳沢小屋からの夕陽

 

4.天狗のコル登山口、初心者はご遠慮の文字

 

5.一際目立つトリカブト

 

6.天狗沢から見上げる天狗のコル
7.コルを前に一休み

 

8.天狗のコルにある避難小屋跡
9.振り返って見た天狗岳
10.畳岩からコブの頭を目指す
11.絶景地で一服
12.まだかなージャンダルムは?
13.着いたー、ジャンダルム山頂
14.ジャンダルムから馬ノ背に向かって
15.緊張する痩せ尾根の馬ノ背
16.奥穂高岳山頂、Aさん見事百名山98座登頂

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