2024. 1.13~14  光城山縦走と焼岳南峰 B

山行名  光城山縦走と焼岳南峰           

山行日  1月13~14日(土~日)

リーダー 牛山 誠

参加者  6名(男性3名、女性3名)

コース  (1日目)松本駅=光城山登山口−光城山−烏帽子峰−長峰山−烏帽子峰−光城山登山口=中の湯温泉旅館
      (2日目)中の湯温泉旅館−広場−焼岳南峰−広場−中の湯温泉旅館=松本駅

歩行時間 1日目:4時間  2日目:8時間50分 (休憩含む)

コメント この山行は昨年途中撤退となったサブリーダーの強い思いを受けて、リーダーが企画して下さった山行だ。かく言う自分も、同じく昨年途中撤退メンバーの1人。雪山だから決して無理に登頂を目指しては行けないのは分かっているが、期するものは強かった。

 1日目は、北アルプスの眺望が素晴らしいと言われる、光城山(ひかるじょうやま)から長峰山の縦走で脚慣らし。登山口に着いたら雪が降り出し、歩く度にしっかりと降り積もって行く。残念ながら北アルプスの眺望は全く得られなかったが、心の眼で北アルプスを見たつもりになり、脚慣らしはしっかりと出来た。
 宿に着いたらすぐに、リーダーがスノーシューなどのセッティングをチェックして下さった。みんなでふかふかの新雪を歩き回り、新調したギアに慣れる時間をしっかり作って下さった。これが翌日の本番に非常に活きることになる。
 その後、温泉に浸かり、美味しい食事をいただいたら、宴会で山談義かと思いきや、突如のロープワーク講習。みな不意をつかれて、あたふたしながら、急激に酔いが醒めた模様(笑)。日頃からロープを触ってないことを反省し、帰宅したら日々少しずつでもロープを触ると心に誓う。そして、雪山の経験や注意点などを伺う内に眠気も出て来てお開きとなった。

 2日目は超快晴!胸が高鳴る。朝食後8時過ぎにスタート。焼岳新中の湯ルート登山口でスノーシュー、ワカンを装着。しっかり新雪が降ったので、先行者がトレースをつけてくれていたが、スノーシューが歩きやすい。
 しばらくするとワカンを履いていたFさんのバンドが外れ、脱げてしまった。アクシデントは付き物だが、雪山は停滞すると一気に冷える。そんな中、リーダーはとても冷静に、素早く修理なさり、さすがだなと感じた。
 樹林帯の中を徐々に高度を上げながら、木々の隙間に初めて焼岳山頂が見えた時はとても興奮した。山頂から標高差400メートル下の広場と呼ばれる場所に着く頃には焼岳山頂までの全容が焼岳ブルーの空をバックにバッチリ見え、興奮はMAXに。北アルプス唯一の活火山。南峰と北峰の鞍部からガスが噴き出し、結構距離のある広場でも硫黄臭がかなりする。いよいよだ。スノーシューからアイゼンに履き替え、急登を山頂まで目指して行く。ここまではほぼ夏道と同じルートを辿って来たが、ここからは尾根通しで雪の時のみ許されるルートを行く。
 快晴だが、山頂が近づく程、風がどんどん強くなる。先行者のトレースが有難いが、前を歩くメンバーから間が少し空いたら、強風ですぐにトレースが消えてしまう。そして、我々はゆっくりめの行動だったため、下山してくる人とのすれ違いも増え、下山の人が登りで作ったトレースを崩して行く中、思わぬ踏み抜きでリズムが狂い、体力を消耗していく。
 遅れ気味なところに「止まらないで、どんどん登って!」とリーダーから檄が入る。最後はリーダーがトップを歩き、力強く引っ張って下さり、13時過ぎに2455.5メートルの焼岳南峰山頂に遂に登頂!山頂は不思議と風がほとんど吹いていなかった。穂高、槍、笠ヶ岳、乗鞍、霞沢、白山、目の前に360度信じられないような景色が見える。でもTV、動画、写真とは全く違う。自分の肉眼で見た迫力、壮大さは素晴らしかった。自分史上過去最高の山頂からの眺めだった。しばし感動で立ち尽くす。そして登頂をみんなで喜びあった。
 名残り惜しいが寒いのと、時間の余裕もないため下山を開始。やはり強風でトレースが分かりにくく、一度見失い、ルートを外すが、焦らずにルートを見つけて復帰。途中、ヒップソリやシリセードも楽しみながらの下山で広場まで戻り休憩。そこでアルファ米を食べてるサブリーダーの余裕の姿を見て、何か笑えて来た。面倒がらずに温かいものを体に入れるのは大切だ。
 その後も焦らずに、でも少し急いで日没までに登山口に戻るのを目指して、17時前に無事に下山。全員が無事に登頂し、下山出来て良かった。
 日帰り入浴でキレイさっぱり、そして冷えた身体を温めて、かの有名なテンホウで美味しいラーメンを食べて帰路に着いた。 

 素晴らしい山行を企画、導いてくださったリーダー、そして素晴らしいメンバーに恵まれて本当に感謝しかない。個人的には昨年の途中撤退があったからこその、より感動的な山行になった気がした。雪山はなめたら本当にヤバイと感じる部分もあったが、雪山にしかない感動が間違いなくある。これからも沢山の雪山を味わいたいし、1人でも多くの仲間とこの感動を分かち合いたいと思った。 下山した気付いたが、またパンツをアイゼンで破ってしまった!昨年もカッパを破き、今年はハードシェルパンツを新調したのに。どうも僕は焼岳に登ると破くらしい。いや、歩き方が下手なだけです(笑)。

投 稿 者 長岡 賢

写真撮影者 牛山 誠   大野 さおり  長岡 賢

光城山から北アを心の眼で
長峰山の不思議オブジェ
不意のロープワーク講習(笑)
樹林帯を登る
焼岳ブルーに映える焼岳
美しさにうっとり
広場から急登を登る
 山頂から槍、穂高を望む
360度の大パノラマ
山頂から笠ヶ岳を望む
山頂から乗鞍岳を望む
山頂にて1
 山頂にて2
名残り惜しいけど下山