2024. 5.02~04  槍ヶ岳 A

山行名  槍ヶ岳  

山行日  5月2~4日(木~土)

リーダー 佐藤 淳

参加者  5名(男性5名)

コース  ①松本=沢渡=上高地 – 徳沢 – 横尾 – 槍沢ロッジ(泊)
      ②槍沢ロッジ – 大曲 – 天狗原分岐 – 坊主岩小屋 – 槍ヶ岳 – 槍ヶ岳山荘(泊)
      ③槍ヶ岳山荘 – 大曲 – 槍沢ロッジ – 徳沢 – 上高地 = 沢渡=松本

歩行時間 ①5時間  ②7.5時間  ③7.5時間 (休憩含む) 

コメント 残雪期の槍ヶ岳を登る。ゴールデンウイーク後半前日。早朝都内から一路上高地へ。さすがに中央道は空いていて順調に沢渡に到着。5人乗りのタクシーを使って上高地へ。(5人ならバスより安い)快晴の上高地。平日だがすでに観光客も多い。
 残雪期の槍は装備が多い。なにせ平地は夏、山頂は冬である。着るもの、アイゼン、ピッケル、ストック、自分は槍沢ロッジまでアプローチシューズで歩いたので、冬靴を背負った。(重いが歩行は快適。他のメンバーは夏靴2名、冬靴2名とばらばら。)

 車を使って順調だったので時間に余裕が生まれたのであまりに天気が良く風もないので観光がてらのんびり横尾まで新緑の上高地を歩く。気持ちがよい。新緑が芽吹き得も言われぬ自然の命を感じる。この季節の上高地が混むわけだ。 明神を過ぎて観光客が減ったところで二輪草の群生地にでる。小さい花だがこれだけ群生していると見応えがある。 徳澤園でのんびり昼食。ソフトクリームは帰りのお楽しみに取っておく。 徳澤から横尾は工事で左岸歩道(徳沢ー横尾)及び新村橋が通行止め。右岸に迂回する。(夏は左岸を通れるらしい)横尾到着。 ここから先は本気の登山者だけになる。

 筆者は槍沢から槍に登るのは初めて。以前槍を登ったときは東鎌尾根からだった。横尾から槍沢ロッジまでは道幅も狭くなり、少し登山道っぽくなるが沢沿いの気持ちの良いルートだ。雪解けの槍沢の水の色は限りなく透明でエメラルドグリーンに冴えわたる。ほどなく槍沢ロッジ到着。ここは風呂もあるのでゆっくりできた。
 翌日。今日も快晴無風。絶好の槍日和。ここからが本番だ。 ババ平のテン場でアイゼン装着。本格的に雪渓歩きだ。大曲を過ぎると眺望が開け雪渓を一望できる。坊主の岩小屋を過ぎ、殺生ヒュッテが見えるころにようやく槍が姿を現す。登ってきたほうを振り向くと八ヶ岳、南アルプス、そしてなんと富士山まで見渡せる。雲一つない澄み渡る蒼空。殺生ヒュッテから槍ヶ岳山荘までは夏ならばつづら折りの道を雪道では直登する。 日差しも強く照り返しがきつい。しかも無風。 雪も緩みアイゼンが効かなくなる。ズルズル滑るのでかなり強くキックステップしないと登れない。だから一歩一歩登る。汗がしたたり落ち体力を消耗する。これが残雪期の槍ヶ岳登山だ。 
 小屋が見えているのにつかない。何度も休憩をはさみなんとか槍ヶ岳山荘到着。この達成感は登った者のみが味わえる。しかもこの景色である。ここまで登ると富士山の麓の山々や、八ヶ岳の先の形に特徴のある荒船山まではっきりと見えた。前々日に振った雨で空気が澄んだこともあり、この時期でこんなに条件の良い日はそうそう出会えないのではないかと思えるほど素晴らしい眺望だった。

 山荘でゆっくり昼食を摂り一息ついた後、槍の山頂にアタック。一部雪が残っているとのことだったのでアイゼン装着で挑む。90%はドライツーリング。一か所だけアイゼンを効かせピッケルを使って登る箇所があった。無事山頂到着。ここからの眺めは360度の眺望。表・裏銀座全ての山々、大天井、常念、蝶、前穂、奥穂、ジャン、西穂、笠、乗鞍、白山、知りうる限りの全ての山が見える大パノラマ。こんな経験をしてしまうから山から離れられなくなるのだろう。まさに一生に数回あるか無いかの経験だ。 山頂からの下りもいつも以上に慎重さが求められる。アイゼンをつけて梯子を下るのは結構怖い。いつもなら何でもない鎖のトラバースも難易度が増す。何とか全員無事降りてこられた。山荘テラスで祝杯。夕食までのんびりとした時間を過ごす。

 最終日。今日も快晴。名残惜しいが下山。朝日を拝み下山開始。朝のうちは多少風があったが気温はそこまで低くない。山荘直下のルートはまだアイゼンがよく効く。下っていると次第に日差しも強くなり汗ばむ。アンダー一枚で下る。すでに下から上がってくる登山者が列になっている。今日あたりがピークだろう。登りは5時間半かかった道だが2時間半で槍沢ロッジまで下りてこられた。デポした荷物を回収して下山再開。横尾、徳澤へと進む。徳澤でソフトクリーム休憩。去年から気になっていた「コーラソフト」を注文したが、出てきたのはカップのソフトクリームに缶コーラ。カップにコーラを注いで食べるとのこと。味は・・・。 次回はコーヒーソフトにしよう。 徳澤から上高地まで次第に増えている観光客の合間を縫いながらいいペースで歩く。 12:45無事上高地バスターミナル到着。ごった返す観光客とバス待ちの列を尻目にタクシー手配所に駆け込みそれほど待たずに乗車。沢渡に戻る。

 食事処「しもまき」でお風呂と食事をいただく。小さいが坂巻温泉の源泉付近から湯を引いているらしいので泉質はよい。疲れが飛んでいく。脱衣所で鏡を見ると顔の日焼けが酷い。日焼け止めクリームを何度か塗りなおしていたがこの焼け方。すれ違った皆さんフェイスマスクをしていたわけだ。

 帰りは多少渋滞に会いつつも無事帰京。充実・満足・感動の3日間。リーダーとメンバーに感謝。

投 稿 者 三谷 嘉章

写真撮影者 長岡 賢  名古屋 利夫  三澤 幸広  佐藤 淳

1.上高地バス停で出発準備
2.新緑の河童橋
3.明神 空が蒼い
4.徳澤到着
5.横尾 ここまでくると人少ない
 6.槍沢 水が感動的にきれい
7.槍見河原見える槍
8.槍沢ロッジ到着
9.今日が本番
10.アイゼン付けていざ
11.槍沢の雪渓を登る
12.槍が見えた!
13.富士山まで見える眺望
14.槍にアタック
15.登頂!槍ました!
16.慎重に下山
17.朝の槍
18.下山開始
19.明神近くの二輪草
20.徳澤でソフトタイム

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